【こんな魔法でよければ】
電話を切った勢いで堂上は部屋を飛び出していた。
郁は よーし! と自分に気合をいれて歩き出す。
共有スペースのロビーに先に着いたのは堂上だ。
来い! と言ったが返事を聞かずに電話を切ってしまった。
一抹の不安が脳裏を過る。
しかし、そんな不安もわずかの時間だった。
少し遅れて現れた、はにかんだ笑顔の郁にその場に立ち尽くす。
わずかに上気した顔。
可愛い。
言われずとも、頭くらい何度でも撫でてやるぞ。
そんな事で、お前が嬉しいと思ってくれるなら・・
「教官、呼び出してすみません」
その言葉にやっと我に返った。
呼び出して!?いや違う。
「誘ったのはお前だが、呼び出したのは俺だ」
そんな訂正を何の為に言ったのか自分でも分からないが、来い! と言ったのは俺だ。
「お願いしておいて何なんですが・・ お願いしてポンポンって変なモンですね」
恥ずかしそうに肩をすくめる郁も、仕事中では無くプライベートな時間だと理性がグラつく。
「バカ何言ってんだ」
そう言いながら、頭をポンポンと軽く叩いてからクシャクシャと撫でる。
「これでいいか?」
しばらくの時間そうやってから聞くと、とびきりの笑顔が返ってきた。
「やっぱり教官の手って『魔法の手』です。ありがとうございました」
そう言って満足そうに女子寮に消えていく部下。
一人その場に残り、自分の手をマジマジと眺めてみる。
魔法の手?
こんな魔法なら いくらでも掛けてやるぞ
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って事で、おまけの「おまけ」です(*^_^*)
拍手してくださった あなたにも 「ポンポン!」
あ、堂上教官の手が良かったですか?・・汗