
【宝探し】(11/02UP)
郁が就業時間ギリギリに
「おはようございます!」
と図書特殊部隊の事務室に飛び込んだ。
「遅い!!」
とは、郁の上官である堂上二正。
「すいませんっ!出掛けにちょっと・・」
「言い訳はいい。大体お前はな―」
堂上がいつものように説教を始めようとした時、隊長である玄田がストップをかけた。
「今日はそこで終いだ!」
何でですか と食いつく堂上と、助かったぁー と肩をすぼめる郁。
「いや、なに、ちょっと聞いてくれ!」
玄田は不敵な笑みをたたえて一同を見る。
「今日は天気も良さそうだ。これから全員で戦闘訓練も兼ねて基地での宝探しをする」
ガハハハと豪快に笑い飛ばす姿に一同は唖然となって声も出ない。
はっ!? 宝・・探し!?
「遊んでいる場合ですか!」
堂上が眉間に皺を寄せながら言う。
それには 気にするな! と返し、
「でも、何で宝探しなんてするんですか?」
と郁が問いただすと
「気分だ!」
と、また豪快に笑い飛ばした。
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玄田の思いつきと、仕方なく任せられた堂上の指示でA班とB班の二手に分かれる。
A班が宝探し部隊になり、B班がその阻止をする部隊だ。
就業時間終了までの間に探し出せばA班の勝ち。
阻止しきれればB班の勝ち。 となる。
「で、その宝とは何ですか?」
堂上が一番気になっている事を聞いた。
物が分からなければ探しようがないというものだ。
まだ、その正体を聞かされていない。
「ん?宝か?」
一同が好奇心の眼差しで、何だろうと聞き耳を立てる。
すると玄田はニンマリと笑いながら
「それはだ――」
それは・・?
「実は昨日、親戚の平賀刑事に旅行土産の饅頭をもらったんだがな、話に夢中になっていたらどこ
かに置き忘れて来たらしくてな。ソレだ」
・・えっ?饅頭・・ですか??
「そうだ。このくらいのな箱に入っておる。確か深緑色の包装紙だったぞ」
深緑色の・・って、おいおい。
ご満悦なその顔に、一同が唖然となる。
そして隊員の一人が手を挙げて意見を言う。
「勝った班の褒美あるんですか?」
「褒美か?その饅頭だ」
「でも、饅頭だと人数分無いんじゃ・・」
「早いもの順だ。見つけたものからさっさと食え」
「んな、無茶苦茶な・・」
「出てこなかったらどうするんですか?」
「お前ら、饅頭一つ探せないとは言わせんぞ」
もう言い返すのもバカバカしくなったのか皆が黙る。
まるでいたずらっ子のわがままよろしく、戦闘開始となった。
玄田隊長の「気分だ!」がマイブームな私でして・・(^^ゞ
ちょっと長めですが・・
気分だ! (笑)