【現実は夢じゃない】 (02/23UP)
昼休み、童話を読んでいたら、いつの間にか寝てしまったようだった。
昼食時に心無い同僚から、嫌味を言われた。
心がチクリと傷んだけど、忘れようと木陰で童話を読んでいたのだ。
誰かに起こされたような気がして目を覚ますと
目の前に一匹のウサギさん。
「どうしたの?」
聞かれてたので答えようとして声を出すが声が出ない。
「こっちだよ」
手を引かれて、訳も分からず躊躇しているハズなのに
足は自然とウサギに誘われるままに動き出す。
『ちょっと待って・・教官があっちで待ってるから・・』
心の中で叫ぶと、聞こえるはずもないのに
「待てないよ。それに教官なんて待って無いさ」
そう応えたウサギが怖い顔でこっちを見た。
??
『ここはどこ?教官がいないなんてハズないから・・』
「どこでもいいじゃない。一緒に遊ぼうよ。君を見てくれない人の事なんて考えるなよ」
ウサギの言葉に言い返せない自分がいる。
やっぱり私の事なんて・・
『それでも背中を追いかけたいから・・。だからウサギさんとは一緒に行けないよ。ごめんね』
「苦しいだけだよ。それでもいいの?」
うん。
そう頷いてニッコリ笑うと、怖い顔から一変してウサギがニッコリと笑う。
あれ?ウサギさんが違うウサギさんになった?
そう思って見ると、次の瞬間、ウサギが誰かさんに見えてきた。
「笠原さん??どうしたの?うなされてたよ?」
小牧のハテナずくしの言葉に郁の頭もハテナだらけで
気がつけば汗びっしょりだ。
「あのー。よく覚えてないけど、何だか怖いような怖くないような変な夢みてたみたいです」
「の、ようだね」
フッと安堵の溜息と共に、小牧が堂上のように頭をポンと叩く。
「教官って言ってたけど、ソレって少なくとも俺じゃないよね」
えっ!?
「寝言。寝言で『教官』って」
「うわぁー。忘れて下さいっ。で、堂上教官には内密に・・」
慌てる郁に小牧は一言
「堂上は笠原さんを一人置いて行く事は無いから、安心して」
そんな奴じゃないこと、笠原さんも知ってるでしょ そう言うとニッコリと笑った。
「はい!そうですよね」
郁も笑顔で返す。
そうだ。
いつだって堂上教官は見捨てずに助けてくれる、私の王子様なんだと改めて思った。