玄田の差し金!?で 図書隊入隊後の新人訓練で 郁は堂上が教官となる班に配属になる。
「しっかり励めよ!」
豪快に激を飛ばす玄田に 堂上は なんなんだ このおっさんは・・と面白くない。
「ん?何か言ったか 堂上」
「いえ・・何も。頑張っているので 心配は無用です」
その頑なな言い方に 小牧は
「頑張ってるって 何を?」
公私混同しないように頑張ってるとか 言う? とククッと笑う。
「ば・ばか野郎!そんなんじゃない。新人訓練をだな・・」
「そんなに ムキにならんでもいいぞ!」
ガハハハと笑う玄田にどつかれる。
もう 勝手にしろ!
何を言ってもからかわれる。ここはもう 開き直るのが一番だ。
新人訓練が終わりを迎えようとしていた。
小牧が興味ありげに聞いてくる。
「で どうなの あの子。防衛部 適性ある?」
「あ・・ああ。運動神経は かなりのもんだな。男に混じっても差ほど違和感も無い」
「へぇー 堂上にしては 評価高いね」
「いや 今のところは、だ。まだまだ分からん」
とりわけ平静を装って 小牧に突っ込まれはしないかと思いながら返答する。
「ほほう!そりゃ これからが楽しみだな。あの話も考えられるな」
玄田は 愉快愉快と楽しそうだ。
「な!なんでそっちに話しが行くんですか!隊長!」
堂上は慌てる。
「運動神経がいいからって 身体能力だけできまるもんでもないでしょうが!特殊部隊ですよ!」
小牧は やれやれ と言わんばかりに 隊長と言い合いになった友人を見守る。
こいつって いったい彼女をどうしたいんだろうね。
突き放せば突き放せるのに 大事にする所はめちゃくちゃ大事にしちゃうし。
かなり 過保護だよな。
大切な「お姫さま」だしね。
・・・・・(笑)
小牧は自分で『お姫さま』と思ったことに 何故かヘンに受けて上戸が入った。
何故か笑う小牧に 玄田に食って掛かっていた堂上は 不審に思い振り向く。
「あ、悪い悪い。こないだの笠原さんの『王子様』を 思い出しちゃってね」
と言いながら 上戸が入って止まらない。
「おまえっ!!・・」
堂上は 言葉に詰って先が出ない。
「ごめん、ごめん。堂上が『王子様』なら 笠原さんは『お姫さま』かなーとか思っちゃったもんだからさ」
不意打ちに合い 堂上は頭がクラッとする。
その場に座り込み もう勝手にしてくれ! 戦意喪失・・
「俺は 王子様でもなんでもない。だからアイツもお姫さまじゃない」
と ポツリと呟く。
「どうした堂上!いきなり元気がなくなったな」
玄田がつっこむ。
「だめだな堂上。王子様が役を降りたらお姫さまが困っちゃうんじゃないの?」
小牧は それでもお姫さまの 話を続ける。
そんな友人が たまにうっとおしくて苦手だと思うときがある。
おまえ 楽しんでないか!?
「俺は 王子様の役を演じているわけじゃないぞ。俺の前で 2度と王子様と言うな!」
完全にむくれた堂上は 吐き捨てるように言った。
「堂上 いい加減に認めろ。図書特殊部隊に手塚と一緒に推薦しといかたらな」
玄田はそう言って 堂上の背中をバシバシ叩く。
ええっ!?
「あ、玄田隊長 もう推薦上げたんですか?」
上戸が入りながら 小牧が訊ねる。
「異存は無いだろう」
自信満々の声に 小牧は そうですね と頷く。
・・・。
もう こいつらときたら・・
いつまでも一人 頑なになっている堂上に玄田は
「いつまでも 拗ねてても可愛くないぞ」
「別に拗ねてません!!」
可愛くないって・・はぁ!?
「じゃあ お前も了解ってことでいいな!」
無言で 頷く。
ん?待てよ・・・って事は?
ハッと気が付き 玄田を見る。
玄田はニヤニヤしながら 力強く頷く。
「堂上!お前が班長で 小牧が副班長だ。手塚と笠原を頼むぞ!」
な、なんてことを・・
「他の班に入ったら 気になってしょうがないでしょ。良かったんじゃない?」
小牧に囁かれ キッと睨むが 上戸の入った小牧には通用しなかった。
でも・・
粋な計らいに フッと笑みがこぼれる。
今のは小牧に見られなかったか!?
慌てて 隣で上戸に入ったまま収まらない友人に目をやった堂上だった。
fin
王子様とお姫さま