堂上の妄想
「郁 お前の事が好きだ」
そんな言葉を言える時が 本当にくるのか・・
最近そんな事ばかり考えてしまう。
業務中はいいが 目の前に郁の顔があると まともに見ていられない時がある。
なんて可愛い笑顔なんだ・・
抱きしめて どうにかしてしまいそうな自分を叱責する。
いけない このままじゃ。
こんな俺の気持ちも知らずに 郁ときたら・・
「堂上教官 どうしました?顔赤いですよ。風邪ひきました?」
と おでこに手をあててくる。
「バ、バカ野郎! なんでもない!ヘンなことするな!」
おかしい・・ この言い方はヘンだ。自分の言葉にうろたえる。
取りつくろうと
「い、いや 本当に大丈夫だ。気にするな」
と言うが 益々ヘンだ。
郁は ジーっと堂上を見ながら
「教官 何かヘンな想像してたんでしょ。まったく!男の人って やーらしいんだから」
な!なにを言ってるんだ こいつは!
「さっき柴崎が言ってたんですよ。最近はやりのエッチなビデオがあるんですってね?おおかた そん
な事でも考えてたんでしょ。堂上教官も タダの男ってことですね。なんだかガッカリだわ」
は??なんだそりゃ!
「バカか貴様!俺はそんなもん関係ないわ!」
「ウソォ?信じらんなーい」
「話しにならん!」
郁の 突拍子も無い話題にビックリしつつも 口を尖らせたり 堂上を覗き込んだりする仕草に そんな
郁もまた可愛いナァと思ってしまう。
俺 相当重症だな・・
その減らず口をキスで塞いでしまおうか とさえ思う。
まあ そんな事をしたら ビンタの一つも飛んでくるかな。
ぎゃあぎゃあ 言ってる郁を見ながら そんな事を考え ふっと笑いが漏れる。
「何笑ってるんですか!ヘンな教官!」
「まあ黙れ」
そう言いながら 郁の口を手で塞ぐ。
思わぬ出来事に郁は きゃっ と言って みるみる顔が赤くなる。
そんな反応に また堂上の胸が高鳴る。
こいつ 俺に少しは気があるのか?
何かしらの違いはあっても そんな毎日が繰り返されている。
堂上は 思う。
あの可愛い笑顔でいつも 俺を見てくれたら。
全てが 俺の為にだったら・・
迷わず俺は あいつを抱きしめる。
そして あの唇に触れたい。
fin