公休日の過ごし方

図書隊に居ると 変則なシフトの為に なかなか友人と会う機会もない。
高校からの友人に いつもそこの所をつつかれて 残念がられてしまうのだが・・

「たまには 逢いたいよね・・」

つい最近も そんなやりとりを電話で話したばかりだった。
地元でなく 東京に出てきている友人も数人居る。
会おうと思えば 時間さえ許せば 可能なことは分かっているのだけれど・・

戦闘職種の為に 訓練の毎日で 休みとなると どうも外出がおっくうになってしまう。
どうしても・・となれば話も違うが やっぱり寮でダラダラ過ごす事が多いのも確かだった。

教官たちって 公休日なにしてるんだろう・・
そんな疑問もが ふっと沸いてくる。

そう言えば 休みの日に 何してたとか 全然聞かないよねー。
小牧教官は 毬江ちゃんとデートなんだろうけど。
堂上教官って お休みの日 何してるんだろう・・

感情と態度が直結な郁は 自分で気が付かないが 自然と堂上を睨むように直視していた。
それに気付いた手塚に向かい側から 小声で
「おいっ。何 睨んでんだよ」
と言われ 口パクで バカ! と付け加えられた。

急ぎの書類に目を通していた堂上は 最初はそのやり取りに気付かなかったが
手塚にバカと言われた後に 郁が騒ぎ出した事で 
「うるさいぞ 笠原!」
と怒鳴ってから
「なにした?」
と 席を立ち上がる。

「だって手塚が 人の事を バカって言うんですよ!」
怒る郁に
「お前が ヘンな顔して見てるからだろうが」
と言い返し 人が折角注意してやってるのに・・ こいつ本当にバカだ とため息をつく。
「なんでそこで ため息なのよー」

「お前等の喧嘩は まったくわけがわからん。ちゃんと説明も出来んのか」
呆れ気味に怒鳴ると 手塚も
「堂上ニ正 実は自分も訳が分からないんです。何だかこいつがヘンな顔して堂上ニ正を睨んで
たもんだから 止めろと言ったまでで・・」
「俺を睨んでた?」
怪訝な顔をして 郁を見る。

「いやだなあ。睨んでなんて ないですってば!」
へんな慌て振りが 益々おかしい。
「お前また 何した?ヘマしたなら 早く言っておけ。」
「なんでそこで そんな話しになるんですか!」
「確立だ。で 何した?」
堂上はまた 郁がなにやら仕事でヘマをして 自分の様子を伺っていたのだろうと思ったのだ。

「ヘマはしてません!ただ・・」
「ただ何だ?」
手塚をチラッと睨み あんたが余計な事言うから・・と 自分の事は棚にあげて 逆恨みしつつ 
「教官は 公休の日は何してるのかなと 思っただけで・・それだけですっ!」

全く脈絡も無い返答が返って来て どう返していいか困ってしまう。
「それがどうすると睨むになるんだ?」
堂上は理解に苦しみ さらにおかしな事を言ってしまう。
って 突っ込むとこそこですか!? と 驚く手塚。

そこへ 席を外していた小牧が戻ってきた。
なにやら どうもおかしい空気になっているのを察して問いただすと 特大の上戸が小牧を襲った。

何だかなー。この愛すべき堂上班は。

小牧は上戸を納めてから
「笠原さん どうして堂上の公休がそんなに知りたいの?」
などと 聞いているから 堂上は なんとも落ち着かない。
郁は そこに至るまでの事を しどろもどろになりながら 話しだした。

「友達が たまには逢いたいって言っても なかなかその気になれなくて・・教官たちはどうしてるの
かなーって思ったので・・」
「そっか。笠原さんは気持ちと行動が一緒だからね」
サラリと小牧に言われて 顔が火照るのが分かる。 それを見られたくなくて 俯いてしまった。

そんな郁を見て 堂上も胸をギュッと掴まれる思いだ。
か、可愛い・・

「答えてやったら?堂上」
小牧に言われ そんなもん・・と言いながらも
「用事があれば外出もるすが 殆ど身体を休めるといったところだ。そうじゃなきゃ 筋トレやってる
か飲むか寝るかだ」
最後の方は ちょっとおふざけ。
小牧がそれを分かって クックッと笑う。

「お前な 友達は大切にしろ。相手が逢いたいって言ってくれているうちが花だぞ」
「それは 分かってるんですけど・・何だか 一人で出かけるのが億劫って言うか・・」
そんな郁を見ながら 堂上はふと何かに気付き シフト表に目をやる。
「めずらしく 今月は日曜に公休が入ってるぞ。会って来たらどうだ。なんなら 俺も用事があるし途
中まで一緒に行ってやれないこともない」

えっ?
それって・・・

「いやなら 別にいいが」
「いやじゃありません!」
「じゃ 友達と話しが決まったら 後で知らせろ。いいな」



堂上は後で 本当に用事あるの? と小牧に突っ込まれたことは言うまでも無い。

だってね・・
笠原さんが友達と出掛ける話しが決まらなかったら それって 二人でデート!?
いやあ 面白い二人だね・・
小牧の上戸は さらに続いた。


                                        fin

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