玄田の一言から タスクフォースの面々が集まる事になった。
しかし極秘だ。
堂上と郁には 内密にと 御布令が出ている。
このミッションには 皆もわくわくしているのか ことの他何事も無いかのように当日を迎える。
猛者達の集まりで しかも指揮を取るのが玄田ときているから 当たり前に集合場所は居酒屋になる。
一杯やりながら 今か今かと議題に入る。
「皆も承知していると思うが・・堂上と笠原の事だ」
玄田が切り出す。
ザワザワと騒いでいた皆が 玄田の次の言葉を待つ。
と言っても もう皆の知るところだが・・・
「あいつら お互いに好きあっているくせに どもラチがあかん。見ているこっちもヒヤヒヤだしな」
まあ 面白いっちゃあ 面白いが・・
玄田は フッと笑う。
「仕事には支障は出てはいないが あのラブラブな二人の中に入りずらいと思った奴もおるだろう」
そうだ!そうだ!
こっちが 恥ずかしくなるよなー と 野次が飛ぶ。
うむ。と頷き 玄田は続ける。
「俺達からしたら付き合ってるんじゃないかと思うほどだが いかんせん当の二人が分かって無い!」
真にもって不可思議な二人だよ
何で 分からないんだろう
普通分かるだろ
口々に首を傾げ 思い思いに発言する。
「で、だ。 今後どうしたらいいか お前等の意見を聞きたいと思ってな」
どうにかなってたら 今頃くっついてるハズだから どうしようもないんじゃないか・・
俺達が企んだところで どうにもならんだろ・・
あれは 手強そうだぞ
「まあ 確かに 俺達が口出しするような問題じゃないんだが・・」
玄田は 遠い目で 何かを思い出しているかのようだ。
玄田の傍で 小牧はフッと 玄田と折口の事が頭に浮かんだ。
そうか 自分達が どうにも捻じれて ここまで来たから 二人を懸念しているのか・・ と思った。
自分達を 二人の後ろに見ているんだろうな・・
ハッキリした事は 玄田は言わないから分からないが。
「俺としても 二人共 可愛い部下だからな。幸せになってもらいたいと思っている。もちろん お前等
の事もだぞ!」
声高々に豪快に言う玄田に 一同は おお!! といかにもタスクフォースと言うほど勇ましい。
「何か いい意見があったら 言ってみてくれ」
発起人兼司会役の 玄田はそう言うと 一同を見渡した。
「飲み物が足らないようだったら 追加してかまわん。 今日は俺の驕りだ」
ここまで 大盤振る舞いの玄田を見た事が無いな・・と 小牧は目を細めた。
小牧は 多分 この中では 堂上と一番の親友だと自負している。
その友の為に 隊の 隊長が ここまでしてくれるとは・・
羨ましくもあり 嬉しくもあり 感謝さえする思いだ。
正論を貫く自分としては 曲げてまで 二人に割って入るのは出来ずにいるから。
こういうのは 当人同士の問題と そう思って今日まで来たからだ。
自分自身 毬江との事は 誰でもない 自分達で少しずつ少しずつ温めている。
恋とは 恋愛とは そういうものだと思って今日まで来た。
しかし 友人は どうやら自分の範ちゅうを越えたそんな存在だ。
常識では当てはまらない。
微笑ましくもあるが もどかしくもある。
そんな事を小牧が考えている間にも 皆は意見をあーでもない こーでもないと言い合っていた。
こういう事は やっぱり男からハッキリしないと駄目だ
そうだな 堂上が悪い
でも あいつ王子様の件で踏み出せずにいるんじゃないか?
笠原みたいなのには 俺について来い でコロッとくるんじゃないか?
そしたら やっぱり堂上だな
「そもそも堂上はいったい どう思ってるんだ?」
玄田が小牧に話を振る。
皆も どうなんだ と 一番仲の良い小牧のことだから 聞いているだろうと詰め寄る。
「断言は出来ませんが・・」
と前置きをしてから
「堂上は 確かに笠原さんの事が好きだと思います」
それは 皆も知ってるぞー
と野次が飛ぶ。
「でも あいつは どうしたいとかそんな事は一切言わない」
そう言い皆を見渡しながら
「笠原さんが大事で 本当に大切に扱っているのが痛いほど分かる」
確かにそうだな・・
一同も それに頷く。
「俺はあいつと何年も一緒にいるけど 女性に対して あんな堂上は見たことないかな」
そして
「それだけ 本気なんだと思うんだ」
あれか もういい歳だから 弱気になってるんじゃないか
逃げられたら怖いとか
それを受けて 小牧は
「多分ね。本気過ぎて だからこそ 手が出せない・・と言うか。手が出ない」
誰かがポツンと呟く。
「そしたら 俺達が余計な事をして 上手くいくところをダメにもしかねないよな・・」
・・・・・
「しかし このままで良いと言うわけにはいかんだろう」
玄田が難しい顔をして腕を組む。
どうしたもんだか・・
それから延々 宴会兼堂上の恋の行方について 夜が更けるまで続いた。
結局
・事ある毎に 二人きりになれるように配慮する事!
・そんな話になったら 積極的に盛り上げる事!
・二人の邪魔はしない!
そんな 当たり前の事で落ち着いたが
何が自分達に出来るのか 考えさせられた夜だった事は確かだった。
些細な隊員二人の恋愛沙汰だ。
他の隊員には なんら関係ないと言ってしまえば 本当にそうなのだ。
でも 皆真剣に(飲みながらではあったけれど・・)話に乗ってくれる。
いい仲間だ。
図書特殊部隊は 最高だな・・
玄田は目を細める。
今宵の酒は最高に旨い!!
あとは あいつらの式で上司の挨拶をするのが楽しみだな。
気の早いことも考えていた。
fin
特殊部隊皆の気持ち