標準装備武器は“無鉄砲”
図書大を出て、第一希望の武蔵野第一図書館の防衛部に決まった。
こんな性格だ。
やれるもんなら、何でもやってやる!
そう意気込んで、俺より出来る奴は居るのか!ってくらいな意気込みで、結構自分で気づかないう
ちに天狗にもなっていたのだろう。
確かに図書大時代は抜きつ抜かれつで、最終的には小牧という奴に主席は譲ってしまったが。
しかし、あんななまっちょろい奴には絶対負けないと、変な自尊心は持っていた。
まあ、認めるべき男だとは思っていたことは確かだ。
そんな時、茨城方面への研修で行った時に、ある少女に出逢った。
凛とした姿に、俺は何のために三正の資格を持っているのかと、このまま黙って検閲をやり過ごす
のか――と思ったら、自然に体が動いていた。
言っておくが、誰の為でもない。
俺が、そうしたかったから。
あの少女の背中に、俺はそうしなければならないと、そう思ったからだ。
そして、その少女が今は俺の部下だ。
あの見計らい事件で、図書隊の皆には多大な迷惑を掛けた。
全部俺のこんな性格のせいだと、やったことは後悔はしなかったが、反省はした。
これからは、皆に迷惑は掛けてはならない。
そう思った。
今は、あの性格を封印して、出来た上官だと思っているが、どうも笠原が傍に居ると、俺が俺で無く
なって行くような気がする。
いや、正確に言うと、昔のままの俺になっていくのだろう。
そう。
無鉄砲だった昔の俺。
そして、無鉄砲な今の笠原。
どうも、笠原が俺にダブって見えて仕方がない。
目が離せない。
笠原と一緒だと、無鉄砲を標準装備していた頃に戻ってしまう俺が居る。
そんな事、いいわけがない。
でも、そんな俺もたまにはいいんじゃないかと 小牧が笑う。
隊長が肩を叩く。
だから俺は思う。
俺は昔の俺は切り捨てた。
笠原には そのままの笠原で居て欲しい。
そんなふうに俺が思っているなんぞ、思いもかけないんだろうけどな、お前は。
そして今日も・・・
「どアホウ!何やってる笠原!」
と、俺が怒鳴る。
「だって、自然に身体がうごいちゃうんですってばー」
とは、笠原だ。
ホントに奴には参る。
でも、いいんだ。そのままで。
無鉄砲を標準装備していると思えばなんて事はない。
急な無鉄砲よりは、ずっとマシだ。
何でも、俺が受け止めてやる。
後は、俺に任せとけ。