海水浴日和というほど 雲ひとつ無い青空。
三班編制に分かれて実施させれる事になった『野外訓練』の 第一班が出発していった。
郁達 堂上班は最終の三班に組み込まれている。

「いいなー 今日から5日間週間予報っていいんですよねー 晴れですよ!晴れ!」
外を眺めて ふっと郁が不満を漏らす。

「晴れが どうしたんだ?」
と 手塚。
「だってさー 海だよー 晴れてていいだろうなぁって 思うじゃん」
「おまえなぁ。訓練だぞ。海は二の次だぞ」
呆れた顔で 手塚は郁を見る。
「訓練だって 雨より晴れてた方がいいでしょ」
と 更に膨れて言う郁に
「まあ そうだが・・」

何気に言いくるめられている手塚に 小牧の上戸が入る。
「何が可笑しいんですか。小牧教官!」
「いいや ちょっとね。笠原さん 俺達の時も晴れるといいね」
ニッコリ笑いながら付け加える。
「折角の海だもんね。毬江ちゃんも楽しみにしているんだ」
「はい!私も楽しみです!」


「何が楽しみだ!?」
それまで 話の成り行きを黙って聞いていた堂上だ。
「あ、あの・・ 訓練が・・」
えへへ と頭を掻きながら堂上を見るが それにはお構い無しに
「ほほう。訓練が楽しみなんだな。よーし 分かった。楽しみにしとけよ。思う存分鍛えてやる」
そう言って 堂上は ニヤリと笑う。

ひえぇー その笑いは何??
「少々手加減を お願いします・・」
ガックリ肩を落として そう言うと
「馬鹿モン!訓練に手加減などないわ」
逆に 延々と説教が続くことになった。

その説教の最後に
「おまえ 水着は自信ないと言いながら 海は楽しみなんだな」
と さらに仏頂面で付け加えられた。

はっ!?今ここで それですか!

郁は 突然の堂上の発言に 無意識に胸を押さえてしまう。
堂上の目線が 自分を見たような気がした。
チラッとそっちを伺うと 堂上と目が合ってしまい 顔が赤くなってしまう。
「の、ノドが渇いたので 飲み物持ってきます」
郁は 慌てて廊下に走り出た。


説教のとばっちりを受けないようにと 傍観を決め込んでいた小牧と手塚。
最後のやり取りを聞いて 小牧の上戸が復活する。
郁が飲み物を取りに行った後 早速話を振る。
「堂上 なんだか水着気にしているの 彼女よりおまえの方みたいだ」
「ばっ・・ 馬鹿言うな。俺は 笠原がだな 余りに浮かれて・・」
「はいはい!そういう事にしておこうか」
「小牧っ!」

そんな二人の会話を聞いて手塚は
「笠原の水着がどうしたんですか」
と 間の抜けた質問を投げかける。
堂上は その問いに これ以上無いといった強い口調で
「何も問題は無い!」
そう言い放つと 小牧を キッと睨みつける。
小牧はそれがまたツボに入ったらしく クックッと上戸が止まらないようだった。


そこへ 追い討ちのような手塚の天然爆弾が 二人を襲った。
別々の意味で。

「そう言えば 笠原 水着買いに行ったらしいですよ。柴崎が言ってました」

堂上は眉間のシワが更に増えたような難しい顔になる。
小牧はそれを見て ブハァーっと 今以上の上戸で 腹痛ぇーと お腹を抱えた。

【5】

夏の野外訓練

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